主人 あきら
わたし 志保
~4話~
陰 謀
志保との結婚
志保は、周囲の反対を押し切ってあきらと結婚をする決意をした。両親は、志保にこんな提案をした。
「あきらくんが、うちの名前になってくれたら家を建ててあげるよ。」
志保は、家を建ててもらえると喜んであきらに言った。あきらは、首を縦に振らなかった。次に両親は、空いている土地があるから自分たちで家を建てたらどうだ?と提案してきた。あきらは、やっぱり首を縦に振らない。志保は、途方に暮れた。志保の両親もお手上げだった。だか、一つだけ朗報があった。朗報と言えるのだろうか・・・・・。
祖父母の土地
両親が家を建てるために用意していた土地について、両親は確認のために法務局へ行って調べてた。 すると、後数年で土地は、父の友人に土地の権利を譲渡することになっていたのだ。1994年叔父の会社倒産時、父の両親が譲ってくれた土地だった。
父の両親は、叔父が夜逃げして丸裸になった。70歳も過ぎて、自己破産した。家は他人の手に渡った。家の敷地近くにある、会社の倉庫だけは残ったので、その中に仮設住宅を作り住んでいた。郵便物は、全て差し押さえられ確認してから届いたとも聞いた。残された二人は、くぎを袋に入れる内職をしてお金をため、自分たちの息子が残していった借金を少しずつ親戚に返した。その父の両親が譲ってくれた土地があと数年で父の友人のものになるというのだ。一体これはどうしたことか・・・・。
10年後の約束
志保の父は、土地を譲り受けた時、友人に司法書士を紹介してもらった。父は、言われるまま実印と土地の権利書を友人に渡した。友人は、司法書士にこの土地を手に入れたい事を話したのだろう。10年経っても200万支払わない場合、その土地は友人の物になるというような内容に書き換えられていた。すでに6年という歳月がたっていた。土地の権利書は、即書き直してもらった。
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