3年前我が家では色々な事が起きました。
今があるのは、
義母、、祖父母のお陰
両親、叔父夫婦のお陰
多くの方のお陰です。
義母と主人、私の話を 少しずつ書いていこうと思います。
感情移入しそうなので名前は変えてあります。
主人 あきら
わたし 志保
~6話~
義母の葬儀
義母が亡くなったと連絡が入った。志保は、頭が真っ白になった。実家の父にも連絡をした。父は、すぐ行こうか?と言ったが、義母は家族だけの密葬が良いと言っていたというので父には大丈夫だと答えた。病院へ着くと叔父は、手際よく葬儀の打ち合わせを済ませており、請求書を見せてくれた。20万。志保は息をのんだ。
翌日、義母は火葬場に連れていかれた。今思えば、通夜も葬儀もやってはいない・・・。あの時は、叔父の言うとおりに全てを進めればいいのだと思っていたので不思議とは思わなかった。
「一時半までお待ちください。」
火葬場の係りに言われ、ラウンジでコーヒーを飲んでいた。叔父が現れた。そして私に涼しい顔をして言うのである。
「あの家を売ったら、2割私にくれるってお母さん言っていたよ。」
と。「そうですか。」と叔父に言いながら志保は、こんなに不謹慎な人だっただろうか?と思っていた。6歳の娘は、あちこち行きたがるのでその場を後にした。考えようにも、どうしたらいいかわからない。考えがまとまらない。時間だけが過ぎていった。
お骨を骨壺に入れ家に帰る道中、叔父はまたもや不思議な事を言った。
「骨壺の面倒みれないやろ?今日、そのまま墓に入れよう・・・・・・。家が売れたら、お母さん私に2割くれるっていっとたよ。」
さすがに志保は違和感を感じずにはいられなかった。この人は、2度もお金の事を言っている「家が売れたら」この言葉がどうも頭にひっかかった。しかも、49日を待たずに義母を墓に入れるのはかわいそうではないか・・・。
さっきまでいい天気だったが、土砂降りになった。墓に骨壺を入れるときは更に雨がひどくなった。まるで、天が怒っているかのようだった。
翌日、義母の家で待ち合わせをしようと叔父に言われ、あきらと志保の二人で向かった。そこには、事故車が一台置いてある。以前来たときはなかったものだ。
義母の家には、叔父と遠い親戚の不動産屋が何故か来ていた。叔父は、その不動産屋のマンションに住んでいた。叔父は、何か欲しいものがあったら持っていったらいい。と言った。志保は、玄関へ入るなり違和感を感じた。確かここに、宝船や珍しいトンボの置物。この家にふさわしい品がいっぱいあったはずなのに、全くないのである。おかしい。何かおかしい。そう思いながら志保は足早に家から出て塀の外からあきらや叔父や不動産屋がやっている事を眺めていた。
不動産屋は、大げさにあちらこちらを見回り5分もしないうちに、大声で
「300万ほどやな~!!あちこちなおしたらそれくらいかかるわ!!」
と叔父に言う。叔父は叔父で、
「安くしてやって~。」
と言っていたがどうも釈然としなかった。あんなに早く簡単に見積もりできるだろうか?しかも、義母が亡くなって2日しかたっていないのに何故不動産?昨日の叔父が言った「家が売れたら2割くれるっていっていたよ。」の言葉が頭から離れなかった。志保は、ますますおかしいと思った。ふと横を見ると不動産屋が乗ってきたMARKⅡが白く光っていた。あきらは、もぬけの殻の家を見ていた。
叔父が、ちょこちょこと寄ってきて志保に言うのである。
「家売れたら、2割お母さんくれるっていっていたよ。」
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